Synergy 1.2.7
Synergy は 1 組のキーボードとポインティングデバイス、クリップボードの共有を切替器無しに実現する、オープンソースのソフトウェアです。ごく身近な空間に複数のマシンを並べているようなマニアが使います。無駄なキーボードやマウスを減らしてデスク周りをスッキリ、複数のマシンを頻繁に切り替えて利用する場合にキーボードを間違えるうっかりミスを減らします。一昨日 1.2.7 がリリースされたので、今回は少し馬鹿丁寧に導入の解説をしてみます。9 つのバグを修正した 1.2.8 が beta リリースされています。
キーボードとポインティングデバイス ( 以下マウス ) が接続されているマシンがサーバ、接続されていないマシンがクライアントになります。普段主に使う、いわゆるメインマシンをサーバにするのが良さそうです。今回はサーバ側を Windows XP、クライアント側を Linux ( Fedora Core 4 ) にしました。クライアントは 60 秒間隔でサーバの存在を確認し続けるので、サーバが常に起動している必要は無く、サーバ・クライアントどちらもお構いなしで自由にシャットダウンできます。
サーバもクライアントもインストールに違いはなく、それぞれのマシンにサーバとクライアントの両方がインストールされます。Windows では SynergyInstaller-1.2.7.exe で簡単にインストールすることができます。Linux にはバイナリの rpm が用意されていますが、想定されているディストリビューションが違うためか Fedora ではパッケージの依存関係からインストールできませんので、SRPM から RPM を再構築しますFedora では Extras に RPM が用意されていますので、そちらを使います。
# wget (URL to synergy-1.2.7-1.src.rpm)
# rpmbuild --rebuild synergy-1.2.7-1.src.rpm
# rpm -ivh /usr/src/redhat/RPM/i386/synergy-1.2.7-1.i386.rpm
# yum --enablerepo=extras install synergy
まず Windows をサーバとして設定し、テスト起動します。ここではサーバのホスト名を Windows, クライアントのホスト名を Fedora としています。
- "Screens & Links" の Configure を開く
- Screens から Screen を選び、Links で任意の方向に Screen を選択
- "Screens & Links" を OK して閉じる
- Test ボタンを押す
- コマンドプロンプトと が表示されテスト起動成功
Windows XP の Windows ファイアウォール等ではテストの時点で TCP 24800 番の許可を求められますので、許可します。ホスト名に大文字小文字の区別は無く、Windows ならばマイコンピュータのプロパティでコンピュータ名タブ、Linux ならば hostname -s で知ることができます。ネットワーク内で DNS を運用している環境では、ホスト名が HOST.example.tld のような FQDN になることもありますので Aliases に FQDN を設定しておきます。
ここでサーバのテストを Stop しても良いですが、このまま Linux 側のクライアントを設定して接続のテストも行います。サーバ側の Synergy が起動している状態で次のコマンドを実行します。
$ synergyc -f Windows
上手く行っていればこの時点で共有が始まっているので、試しにサーバ側のマウスで設定した画面端を突いてみましょう。そのままカーソルがクライアント側に突き抜けるはずです。Synergy ではマウスカーソルが基点となってキーボードとクリップボードが変移します。"Screens & Links" の設定次第では、マリオブラザーズの様にループさせることも自由自在です。
以上で、必要なときにサーバとクライアントをそれぞれ起動すれば入力とクリップボードを共有できるようになりました。しかしこれでは結局、ログインして synergyc を起動するためにキーボードが必要になるので意味がありません。そこで、OS のログイン画面の段階、Windows XP の「ようこそ」画面や「クラシック ログオン プロンプト」、Linux のログインマネージャで共有を行います。当然、サーバとクライアントの双方で管理者権限が必要です。
サーバの設定を変えるためには、その都度サーバ側 Windows のタスクトレイから Synergy のアイコンを右クリックしてコンテキストメニューを出し、Synergy を一旦終了させます。
これで Windows XP の起動後にログイン画面の段階で Synergy がサービスとして常駐し、ログインしなくてもサーバが起動します。
次にクライアントの Linux ですが、ここではログインマネージャにデフォルトの gdm を想定しています。
/etc/X11/gdm/Default/Init/etc/X11/gdm/Init/Default の末尾 exit 0 の直前に、ログイン画面での終了と起動を追記します。Fedora Core 5 では /etc/gdm/Init/Default になります。
# vim /etc/X11/gdm/Default/Init
if [ -x /usr/bin/synergyc ]; then
/usr/bin/killall synergyc
sleep 2
/usr/bin/synergyc Windows
fi
# vim /etc/X11/gdm/Init/Default
if [ -x /usr/bin/synergyc ]; then
/usr/bin/killall synergyc
sleep 2
/usr/bin/synergyc Windows
fi
/etc/X11/gdm/PreSession/Default の gdmwhich() と変数 XSETROOT の定義の間、28 行目辺りにログイン時での終了を追記します。Fedora Core 5 では /etc/gdm/PreSession/Default になります。
# vim /etc/X11/gdm/PreSession/Default
/usr/bin/killall synergyc
sleep 1
/etc/X11/xdm/Xsession の先頭にあるコメントの直後にログイン後の終了と起動を追記します。Fedora Core 5 では XOrg が 7.0 になっているので、/etc/X11/xinit/xinitrc や /etc/X11/xinit/xinitrc-common に追記すると良いでしょう。
# vim /etc/X11/xdm/Xsession
if [ -x /usr/bin/synergyc ]; then
/usr/bin/killall synergyc
sleep 1
/usr/bin/synergyc Windows
fi
起動スクリプト /etc/X11/xinit/xinitrc.d/synergy.sh を作って実行権限を与えておきます。
# vim /etc/X11/xinit/xinitrc.d/synergy.sh
#!/bin/bash
if [ -x /usr/bin/synergyc ]; then
/usr/bin/killall synergyc
sleep 1
/usr/bin/synergyc Windows
fi
# chmod 755 /etc/X11/xinit/xinitrc.d/synergy.sh
バイナリのインストール先 ( /usr/bin ) はそれぞれ適当に読み換えてください。これでログイン、ログアウト毎にクライアントがユーザ権限で開始・終了します。サーバとクライアント両方のログイン画面において共有が可能になりました。ログイン画面では接続の有無を UI で確認することはできないので、実際に画面端を突いてみましょう。
その他の設定もしてみましょう。画面端に触れただけでスルリとすり抜けてしまうのが鬱陶しい場合は、ダブルトラップを設定して突っ掛かるようにしたり、スクリーンの四隅でリンク無効にしたりできます。ダブルクリックするように、画面端を連続してつつくけばリンク先に移るようになります。全ての設定は C:¥WINDOWS¥synergy.sgc ( %SystemRoot%\synergy.sgc ) に保持されています。困ったときは削除すればリセットできると思います。
Synergy には認証や暗号化の機能が一切ないので、信頼できないネットワークでの利用は慎重にすべきです。TCP/IP レベルで SSH ポートフォワーディングして認証と暗号化を行うのも手段の一つでしょう。
全て上手く動作し、しばらく利用してみて共有に慣れたら、クライアント側のマウスとキーボードはもう必要ありません。取り外してしまいましょう。
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- Windows
- 公開日時
- 2005-12-22T00:23:10+09:00 @682
- 更新日時
- 2006-02-14T12:20:29+09:00 @180
- Permalink URI & TrackBack URL
- http://blog.drry.jp/2005/12/22/synergy
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